あくまで天使です。


「ちょっとナギサ?大丈夫?」


笑顔で心配してくる月緋に言葉を返さず、勢いよく椅子から腰を上げた。


「しぇっしぇんしぇぃ!気分が悪いのでほほほ保健室へ行ってまいりましゅ!」


「呂律すら回ってないぞ!行って来い!」


気のいい理科担当の教師はあっさり、というかほぼ強制的に授業を抜けることを許可してくれた。


許可してくれた瞬間、脂汗をぬぐいながら教室から走り去った。


「………あんの馬鹿天使がぁ!」


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