あくまで天使です。


やっと口チャックしてくれたべリアルに、憐みの視線を投げかけ私は再び机に向き直った。


複雑な理論と計算式との格闘へしゃれこもうとすると


「………上等じゃねぇか!」


声を荒げ、べリアルはすごいスピードと荒い足音で部屋から出て行ってしまった。


本気で怒っているようだ。


後で謝ろう。神経を研ぎ澄まし目の前にある問題をにらんだ瞬間


「おい」


またさっきと同じ展開になっている。イライラをこめた眼で振り返った私だが、逆に度胆を抜かれてしまった。


べリアルが黒縁めがねをかけていたのだ。象牙色の顔にまたひとつ黒が増えた。


私が瞠目していると、彼はにやりと口角を釣り上げ


「俺が何でも教えてやるよ」




< 43 / 625 >

この作品をシェア

pagetop