あくまで天使です。
「切りやがった………」
黒いケータイを睨みつけ、べリアルは舌を鳴らした。
さてどうすっかな。
空気の上に胡坐をかき、暇つぶしにくるくる回転してみる。
このままあの小娘の言うことに逆らって、空中を散歩してもいいのだが、ぶっちゃけあの悪魔娘のほうも気になる。
しゃーね。ここはあの阿呆に踊らされてみるか。
逆さまのまま一旦止まり、その恰好のまま地面へ急降下した。
一般人の頭すれすれで停止し、ひらりと地面に降り立つ。
空から降ってきた黒髪の男に通行人は顔も向けず、進んでいく。