あくまで天使です。
とにもかくにも私は煮えたぎった感情を料理にぶつけることにした。
しゃがみ込み、まずは調理器具を集める。お玉、鍋、包丁、まな板、ざる………必要器具を取り出し終わると、パタンと閉め抱え上げて立ち上がる。
がっしゃんと流しにそれらをおいて水で消毒する。
冷水で洗い流していると、先ほどの会話がふと思い起こされた。
『よく昔60点の女がエプロンをつけると80点になるテレビを見てたんだ』
何気なく私を半分以上の女として見てくれてるという意味なのか?
そうだとしたらあまり悪い奴ではないかもしれない。金属と金属が交わる音で私は正気に戻った。
いかんいかん、あんな鬼畜俺様悪魔に惚れても何らいいことはないぞ。
水で濡れた両手を頬に強く打ちつけ、作業を再開した。