あくまで天使です。
「わかったらさっさと作れ飯!」
「はいはい」
重い腰を上げ台所へ移動する。フックで壁にかけてあったエプロンを装着していると、ベルアルが凝視しているのに気づいた。
「何?何かある?」
「いや、エプロンつけんだなって」
「まぁね。汚れると嫌だし」
「理由を訊いてんじゃねぇよすっとこどっこい」
ニヤリと彼はせせら笑った。
「よく昔60点の女がエプロンをつけると80点になるテレビを見てたんだ。だが、」
プッと口を蔽い隠した。私は怪訝そうに先を促す。
「本来はそうならねぇってことが分かったぜ」
「………この悪魔が!」
そう怒鳴ると、彼は笑いながらすぅと天井に登っていった。そんな便利な技があるならなんで階段をわざわざ使うのか。私に存在を示すためか?それだったらやめてほしい。いや、壁を通り抜けてこられても困るか。