あくまで天使です。


次に卵を割り、泡立て器でよく混ぜる。


自炊をモットーにした一人暮らしだったので、このぐらいはたやすい。


リズムよく掻きまわしていると、上のほうから


「へぇ………」


と若干感心した声音が降ってきた。見上げてみると、


「………にゅああぁあぁああぁ!」


逆さまになっているベルアルの生首がそこにあった。


驚きすぎてボールから手を離してしまった。激しい金属音とともに黄色いしみがフローリングの床を染め上げる。


「あーあ。もったいねぇ」


「あんたのせいでしょうがっ!ビックリさせないでよ!」


「俺がわりぃってか?てめぇのミスだろうが」


人になすりつけんなよ、と生首で膨れる。


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