魔王と王女の物語
「手とか触るだけで赤ちゃんってできるものじゃないの?」


「手繋いだけでガキができるかよ。それに俺のコレも使い道なくなるじゃん!」


「これってどれ?」


触れられただけで子供ができるものではないと知って安心したラスが抱き着いてきて、コーフンしつつも腹に手をあてて気付かれないように痛みを取り除く。


「安心したか?だからこれからも俺と風呂に入るし俺と一緒に寝る!わかったか?」


「でも…コーは恥ずかしくないの?私ちょっと恥ずかしいかも」


もぞもぞと身体を動かしてなるべく逃れようとするラスの腰を抱いて強く引き寄せて離さず、


女なら誰もが腰砕けになる低く蠱惑的かつ魅了的な声で耳元で囁いた。


「チビになら全部見せれるぜ。だから早く返事聞かせろよ。でないと無理矢理食っちまうぞ」


「途中から全然意味わかんないよ。コー、さっきはごめんね、怒らせちゃった?」


…腰を砕けさせたわけでもなく、いつも通りのラスには、“魔王耐性”がついていた。


今まで出会った姫君たちはこの声だけで意のままにできたのに、ラスは違う。


ただ単にまだ子供なだけなのか、鈍感なのか…。

どちらにしろ、そんなラスも魔王をコーフンさせる要素のひとつだ。


「俺が他の女とベタベタすんのがいやなんだろ?むかむかするんだろ?」


「うん。グラースと仲良くしてるの見るともやもやするの。これってなに?」


「俺を好きになりかけてる証拠さ。あー楽しみだなー、最初はやっぱチビに似た女の子がいいなー」


魔王の未来予想図はバラ色だ。


ラスに似た女の子供たちに囲まれて、“パパー”とか言われたりして、嫁には絶対に出さない。


「“パパと結婚する”とか言われちゃったりして。…やべえ!この妄想、楽しすぎる!」


「コー、顔が気持ち悪い。ねえ早くみんなの所に戻ろうよ。ごめんね、私が…生理になっちゃって…。脚止めさせちゃったよね」


しゅんとなったラスをまた抱っこして深い森を抜け、待っていたリロイたちが見えて、魔王はラスの耳を甘噛みしながら笑った。


「んなことねえよ、みんなでお祝いしてやるよ。あーチビがとうとう大人の女に!」


俄然大コーフン。
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