お姫様だっこ
「美優、智也、また明日ねぇ!」
菜帆のデカい声でハッと我に返る。
途中から智也と2人になる。
菜帆んちは別の方向だから。
本当は智也も鉄も家を通り過ぎてるんだけど危ないからってあたし達をそれぞれ家まで送ってくれるんだ。
「いつもごめんね」
「なに今さら?ホントお前優しいな?」
「そ、そんな事ないよぉ」
「今日は鉄の言葉に感動しちゃって泣くし?」
「もぉー…それは忘れて。恥ずかしいから」
智也から目を逸らして俯いた。
「でもさ、人の為に涙流せるってスゲェと思うよ?心キレイな証拠じゃん」
また、智也が真っ直ぐ見つめてくる。
やめて…。
その瞳に吸い込まれそうになるよ‥…
「そんな事ないよ?…あ、じゃ家着いたから。ホントありがと!!また明日ねっ」
手を降って急いで家に入る。
家にスグ着いて良かった。
ちょっと焦っちゃったよ。
なんで?―――