お姫様だっこ



「美優ぅー!!!」


「菜帆ぉー!!!」



お互い走り寄って抱き合った。



感動の再会、みたいな?




「大丈夫?大丈夫?菜帆ね、美優が心配でたまらなかったよぉ」



「もう大丈夫よ。ありがとね。菜帆も大丈夫?元気戻った?菜帆は元気じゃないと駄目なんだからねっ」



菜帆は笑顔であたしを見つめる。


その笑顔からはパワーが充ちていた。



「美優の笑顔見たら元気になったよ♪」



あたしだって同じだよ。


「よかったなぁ菜帆。俺も心配したし」


後ろに居た俊が近づいてきた。



「俊にも心配かけてゴメンね。もう大丈夫だから。」



俊の笑顔も久々に見た気がした。


「おぅ。どんどん心配かけろ。全然迷惑とかじゃ無いからなぁ?」



あたしは幸せ者だよね。こんな素敵な仲間がいるんだもん。



すると、ぶぅーって頬を膨らませて菜帆があたしを見てきた。


「研と美優、昨日くっつぃちゃってるしぃ。菜帆超ビックリしたよぉ」



菜帆には昨日の夜、電話で俊との事を話した。



「ごめぇん。くっつぃちゃった♪研のものになっちったよ」


「えぇー!美優は菜帆のものだもーん。」



「こら菜帆!美優は俺のものだ」


「だめぇー」



研と菜帆がじゃれてるし。




2人を笑いながら見てると、俊がコソッと話しかけてきた。菜帆と俊に聞こえない声で。
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