お姫様だっこ



真剣な俊の顔。



「菜帆さ、あんま寝てねぇんだ。ずっと泣いててな。最後は泣き疲れてイツのまにか寝てたんだけどさ。あのさ、美優…」

「んっ?」


俊の瞳があたしをシッカリ見てる。



「自分の体、大事にしろよな?お前は生まれてくるべき人間よ?辛い事あったのはわかる。でもだからって自分を傷つけんな。今度やったら許さねぇ。菜帆を泣かすのも許さねぇ。…お前は必要な人間だよ。今度何かあった時はちゃんと菜帆に相談してやってな?俺からのお願い。いいか?」






俊……。




「うん!!俊ありがとう。本当に今回はゴメン。本当に反省した。もう大丈夫っての本気だから。今度こそ!それに、菜帆を泣かせていいのは俊だけだもんね?」



「そぉそぉ俺だけ……ってイツも俺が菜帆泣かしてるみたぃじゃねぇかよ!」

「あれ?違った?」


2人でクスクス笑った。


あたし、ちゃんと笑えてる。ホントの笑顔。



俊もいい男だ。菜帆と俊は本当に素敵なカップル。あんな風になれたらいいってイツも思ってた。あたし達も素敵なカップルになれるかなぁ?




……研。
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