愛されたかった悪女
私はなんてバカなことをしたのかしら……ジョンを傷つけてしまうなんて……。


そして、あの時私は自分を消したかった……。


正直、今もどうでもいい気分なのだ。


「エステル……」


いつの間にかジョンが目の前に立っていた。


腕に巻かれた包帯を見て、視線を逸らす。


「ジョン……ごめんなさい……謝って済むことではないけれど……」


私はジョンから離れて歩き始めた。


「エステル!」


ジョンの怒ったような声がすぐ後ろで聞こえた。


「僕ではだめなのか!?」


後ろからジョンの腕が肩に回り抱きしめられる。


消毒液の匂いが鼻に触れた。


そして真っ白な包帯も……。


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