愛されたかった悪女
「とてもきれいだ……まるで女神のようだよ」


「ありがとう ゼラルドの最新作のドレスよ 私をイメージし、私の為に作られたドレスなの」


モデルウォークをして、くるっとターンをして見せる。


「さすがだ、彼は君のスタイルを熟知しているね このハート形の胸のラインがたまらない」


膨らんだ胸の上の部分にジョンの指が動く。


片方の手はヒップラインをなぞっていく。


「気に入った ベッドに連れて行って、このまま愛したいよ」


「バカな事、言っていないで このドレスはハヤトの為のものなの きっと、ハヤトも気に入ってくれるに違いないわ あとで華々しく登場してみせるから、貴方は先に行っていて」


考えるだけでも楽しい。


ジョンはこれ見よがしにため息を吐いた。


「仕方ないね じゃあ」


私はにっこり笑みを浮かべながらジョンをドアまで見送った。



< 44 / 116 >

この作品をシェア

pagetop