愛されたかった悪女
ゆっくりとコーヒーを飲んでいると、携帯電話が鳴った。


かけてきたのはニューヨークにいるマネージャー。


仕方なく電話に出る。


「なんの用かしら?」


『パリのファッションショーの仕事が入った すぐに飛んでくれ この話は無下に出来ないはずだ』


マネージャーはお世話になったデザイナーの名前を言う。


そう、彼にはお世話になった。


まあ、いいわ あの子はハヤトの為に身を引くでしょう。


「いいわ 飛行機が取れ次第、パリへ飛ぶわ」


そう言うと、マネージャーは安堵の声を洩らした。



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