魔女の悪戯

「お兄様、良いでしょう?
レオはまだ騎士の身分だけど、いずれ近衛隊、最終的はきっと近衛隊長にだってなるわ!
なら、身分だって充分だし、降嫁っていう形でもなんでもいいから結婚させて頂戴!」


ラミア王女は一気に言った。


その内容に、王子は頭を抱える。


ラミア王女の言うことは、確かに可能だし、近衛隊長に降嫁した王女は少なくない。


ただし、それは他の縁談が無かったり、他に姉妹がたくさんいた場合。


一人娘のラミア王女は、騎士ではなく両国の王族が最も相応しい相手なのである。


「ラミア、それは無理なんだ…」


ラウロ王子は申し訳なさそうに言った。


両国の王は、もう同盟書へのサインと縁談の準備を終わらせてしまっていたのだ。


それを聞いて、諦める我が儘王女では無かった。


とんでもない事を口走ったのだ。


「レオ、貴方は私を愛しているでしょう?
私、貴方なら結婚する!
ていうか、貴方じゃなきゃ嫌!!」


忠純は呆然とするしかなかった。


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