天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
アスラは抱き起こされたままのアリスカへと歩み寄る。

まだ頬に涙の跡の残るアリスカ。

こんなにも苦悩していたのか…。

神ではなく、一人の友人として、その心情は察して余りあり、不憫に思う。

しかし。

「宴に篭絡されかけた記憶のみ消しておいてやれ…後はそのままでよい」

アスラは背を向ける。

「あの眼鏡小僧とのいざこざの記憶はそのままで?」

巨漢男子の言葉に。

「よい」

アスラは、少し冷たいとも思えるような口調で言い放つ。

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