天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
頬から、少なくない血が滴り落ちる。

それでも足を止める事なく。

「でも僕がコイツの気を引いている間に、アリスカさんは助かります」

啓太はそんな言葉を何でもない事のように言う。

「僕の多重人格には、強い力はないから…こうするしかアリスカさんを助ける事はできないから…」

『じゃあアリスカさんの代わりに僕が』

啓太がそんな風に言ったような気がして。

「!?」

ドラグノフを投げ捨てて。

迷う事なく駆け出して。

「啓太あぁあぁぁっ!」

アリスカは、その小さな少年の胸に飛び込んだ。

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