天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
結局結論から言うと、龍太郎は体育教師の屋敷で修行をつけてもらっているという事だった。

安心して胸を撫で下ろし、自室へと帰っていく雛菊。

そんな彼女を見送りつつ、アリスカは協力を仰いだ友人達に、事件が解決した事を連絡した。

無論啓太にも。

『人騒がせだよね、丹下君』

「ほんと…でも無事でよかったよ」

『……』

「……」

電話での会話が弾まない。

いつもならば、電話を切るタイミングを図りかねるくらいに盛り上がるのに。

昨夜の話の続きをする絶好のチャンスなのに。

「それじゃあ…学校で…」

『うん…またね、アリスカさん…』

何の進展もないまま、二人は電話を切ってしまった。

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