天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
なかなか狡猾だ。

気弱な啓太が断りづらい方向に、話を持っていくゆり。

終いには。

「ひどぉおおぉおいっ!啓太先輩私の事嫌いなんだぁっ!」

大声で泣きじゃくる。

教室の生徒達が一斉に啓太に注目する。

アリスカの次は下級生を泣かしているぞと、白い目で見られる啓太。

あざとい、流石ゆりあざとい。

「わわわわ、わかりましたっ!わかりましたからっ、ゆりちゃんそんなに泣かないで!」

ワタワタしながら慰める啓太に見えないように。

「…………」

ゆりは俯いたまま、ぺロリと舌を出してみせた…。

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