天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
試合に感動したのか、それとも試合内容の過激さに怯えたのか、涙をこぼすゆり。

そんな彼女にハンカチを貸す啓太。

啓太の優しさが嬉しかったのか。

「!!」

アリスカが遠く見ている事も知らず、ゆりに抱きつかれて困惑する啓太。

…無論、ゆりは気づいている。

アリスカがこちらを見ている事に。

だからこそ、こんな安い芝居をアリスカに見せ付けているのだ。

ゆりにとって、今日のタイマントーナメントの内容などはどうでもいい。

今、この時こそがメインイベント。

啓太とアリスカの関係に終止符を打つ。

これこそが、ゆりの真の目的だった。

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