光の射す方へ
陽のあたらない道
連絡のとれないアズサちゃんはと言うと、まだまだ迷路をさ迷っていた。
とりあえず高校に進学したものの、間もなく中退。本格的に家出をし、歳をごまかしながら働いた。今日食べるものもない、公園で寝起きすることもあった。どん底だった。

何故生きているのか?自分は何をしているのか?何故産まれてきたのか?

いくら自問自答をしても死ぬなんていう勇気もない。生きるしかなった。生き地獄ー

どんなことでもやった。「無」になるのは簡単。

私アヤが今どうしているのかたまらなく知りたくなるときもあった。しかし、そんな感情をも持つことは自分自身を辛くさせるだけ。

灰色を超えた真っ黒な世界。「無」の感情…そんなレベルではない。感情も何も「無」だった。

蝉が鳴いて、トンボが飛ぶ、あの季節が嫌いになった。
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