俺はその時、どう行動するか。
「悠人さんって本当に昔からケチ…というか節約家ですのね。ワタクシにはこんな雪道とても歩けませんわ」


「いや、成り行きなんだけどさ…」


「それよりも悠人さん。今朝ワタクシが迎えに来ても嬉しくなかったのかしら?」


「…え?なんで?」


「だって貴方ったら全然喜んでくださらなかったし…、今朝まだ一度もワタクシを褒めてくれないんですもの」




澪は拗ねるように上目遣いで俺を見つめる。




あぁ…

そういやさっき新しいワンピースがどうしたとか言っていたっけ。


澪はいつも俺に、好きだとか可愛いだとかの言葉を言わせたがる。


それが澪の甘え方なんだと思う。




「ごめん…疲れてて気付けなかったね。ワンピースすごく素敵で似合ってるよ」


「ワンピース…だけですの?」


「…………」






もうここには俺と澪しかいないはずなのに…







「…澪、すごく綺麗だよ」





綾音に対しての罪悪感が消えない。


< 161 / 224 >

この作品をシェア

pagetop