俺はその時、どう行動するか。
――――8:30





車が結婚式場でもある秘境めいた洋館に付くと、俺たちは各部屋に案内され準備が始まった。





俺は髪を整えられ、白いタキシードを着せられる。


常に複数の人間が俺の周りにいるから、何も考えられず逆に助かった。


このまま流れるように時間が過ぎ、結婚式、ハネムーンを過ごしているうちに、綾音とのことも自分の中で消化できるんだろうか。



そう考える自分はすごく卑怯だと思う。


けれど澪を幸せにする道を選んだ以上、俺は全てを一人で背負う責任がある。



苦しくても卑怯でも…
澪に勘づかれてはいけない。






俺の支度が整い、あとは澪を待つのみとなった。


健二も今ごろこっちに向かっている頃か…



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