俺はその時、どう行動するか。
――――9:53




俺と澪の親族の挨拶も済ませ、そろそろ教会で式が始まる。





こんな秘境でも招待客はみんな来てくれて、あとは全員が揃った教会で澪の入場を待つのみ。


十字架と神父の前に立つ俺は、深呼吸して目を閉じた。




もう後戻り出来ない。

心を決めろ。












その時

教会内の灯りが消され、ざわめいていた声が静かになる。




荘厳なパイプオルガンの音と共に教会の扉がゆっくりと開かれた。


暗い教会にいっせいに眩い光が射し込み、ウェディングドレスの澪が光に包まれた。


そのあまりの美しさに招待客も俺も息を飲む。


父親にエスコートされながらゆっくりとバージンロードを歩く澪は


間違いなく
世界一美しく輝いていた。


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