俺はその時、どう行動するか。
バージンロードを歩き終えた澪が俺の前に来た。




父の腕を離れる澪は、うっすらと涙を浮かべていた。


俺はそんな澪に手を差し伸べる。



虹色のステンドグラスから降り注ぐ光に照された十字架の前で、俺と澪は並んで立った。


神父の進行で聖歌の斉唱をし、誓約書に誓いのサインを書く。



澪は時折、俺に優しく微笑みかけ、だから俺も澪に微笑み返した。





誓約書を書き終えた俺と澪は、十字架の前で向かい合った。



あとは神父の言葉に合わせて誓いの言葉を述べ、指輪交換をして、誓いのキスをするのみだ。






俺は噛みしめるように瞳を閉じた。








「相良悠人」


神父の静かな声が教会に響き渡る。




「あなたは健やかなる時も、病める時も…西条寺澪、この女性を生涯愛し、慈しみ、守り抜く事を誓いますか?」



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