俺はその時、どう行動するか。
「………相良悠人さん?」





いつまでも返事をしない俺に神父は戸惑いの声を出した。


招待客も微妙にざわつき始めている。





ただ澪だけは、やっぱり真っ直ぐに俺を見つめていて…




その瞳を見て、俺は覚悟を決めた。














「ごめん…澪」




俺は澪に向かって頭を下げた。





「俺、誓えない…澪に黙ってた話があるんだ」






俺は澪の両親や招待客に頭を上げると澪の腕を掴んだ。






「皆さん、せっかく集まって戴いたのにすいません。今日の結婚式…無かった事にして下さい」



「!!!」






自分でもすごく無茶苦茶な事を言ってると思う。






神父は慌てふためき英語で何か言っていて、招待客もパニック状態だ。


澪の両親は俺に向かって何か叫んでいた。







だけど俺は、澪の体をお姫さま抱っこで抱えると、そのまま教会を走り去った。



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