俺はその時、どう行動するか。
澪を抱き抱えたまま教会から洋館へ戻る最中


澪は声を押し殺して泣いていた。




俺は新婦控え室の扉を背中で押し開ける。


広い部屋には誰もいない。


俺は窓際にある白いソファーまで行くと、抱いていた澪をゆっくりと降ろす。





「…ひっく」



純白のウェディングドレスの澪はソファーに座ったまま、頬を涙で濡らしている。




「澪…」



俺は目線を合わせるように澪の前にしゃがむと、今まで何度も呼んだその美しい女性の名前を呼ぶ。



…全てを、打ち明ける為に。



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