俺はその時、どう行動するか。

「……え？」





キャンセル？

もちろんキャンセルなんてした覚えはない。



「そんな…そんなはずありません。もう一度確認してください」



俺は暖炉の前から立ち上がると従業員の男と共にフロントへ向かう。



「1ヶ月前にネットから予約しました。これが確認の画面です」



俺は携帯の画面を証拠だとばかりに男に向ける。



「ええ…ですが2週間前にキャンセルもされております」


「えぇ？！そんな…それ本当に俺ですか？」


「はい。確かにフロントの人間が電話でキャンセルを承っております…」



従業員の男はフロントのパソコンを操作しながら申し訳なさそうに言う。


そ、そんな…まじで？


俺は絶対にキャンセルの電話なんかした覚えはないぞ…！



「フロントの方の間違えじゃないんですか？例えば新人だったとか」


「―…そうですね、確かに承った者は新人です」



従業員の男は老眼鏡をかけ直しながらパソコン画面を覗きこむ。



ほ、ほら…やっぱり…！