俺はその時、どう行動するか。
その時――…






「あれ?もしかして悠人?」



――え?


聞き慣れたその声に俺が顔をそちらへ向けると、そこには健二が立っていた。



「…あれ?健二?!」


ちなみに健二とは俺の中学時代からの親友で、澪のこともよく知っている。


今回の結婚式にも一番に招待していた。



「なんだよ悠人~、お前もここに泊まんの?」


今、フロントでチェックインの手続きを済ませたらしい健二は土産コーナーの俺の元へやって来た。


健二の隣には彼女の里奈もいる。


ちなみに里奈も同じ中学出身で、澪の取り巻き(側近)の一人でもある。


つまり、あの告白の現場に里奈もいたことになる。



「悠人がいるってことは、まさか澪ちゃんもこのホテルにいんの?」


健二は里奈の肩を抱き寄せながら辺りをキョロキョロ見渡す。



「え?あ、いや、澪は母親と違うリゾートホテルにいるんだ」


「あ、だよなぁ~」



澪がまさかホテル白熊に泊まる訳がない。


澪の性格も理解している健二は状況を納得したように笑った。




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