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「思い通りって……そんなのただの人形じゃない。私はちゃんと柏原が好きよ」
今度は打って変わって悲しそうに眉を寄せた。
スティクが首筋を這う……
鋭く尖った先端は、執事が少し力を込めれば途端に凶器に変わるだろう。
「お嬢様……このまま柱に縛り付けておきましょうか?」
「嫌よ。このままじゃ、私が柏原を抱き締めてあげられないでしょ? 私は与えられるだけの愛情なんて嫌よ。私が愛して、柏原も愛してくれる。それだけでいいじゃない」
柏原の本心が、何を考えているのか……
私の本心が、どうしたいのか……
柱に縛り付けられて私は少しだけわかったのよ。
柏原だって、寂しいんだ。
不安もたくさんあるんだと思う。