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「……申し訳ございません。笑いが止まらな……ハハハッ」
「何よ! 私、本気だから! 絶対柏原と結婚するわ!」
まだクスクスと笑い声をあげている、執事。
「もちろんでございます。私も、貴女を他の男に与えるつもりはございません。ですが、今すぐに……というと考えさせていただきます。まず、学業を終えていただかないと……」
「私に、注文つけるつもり?」
「ええ、もちろん」
ひどっ!
私ってば、こんなに可愛くてチャーミングな女の子なのに……
なんて贅沢な男かしら……
柏原の綺麗な指が、私の顎を持ち上げる。
「それから……浮気癖も治さないとなりませんね?」
「浮気なんてしないわよ」
「信用できません……貴女は自分がどれ程の美貌を兼ねているか全く理解していない。すぐに男に色目を使う」
氷のような冷たい視線に、体中にゾクリと悪寒が走った。