BLack†NOBLE


 奴等は、最初から蔵人だけを狙っていたんだろう。蔵人がいなくなれば、組織は崩壊する……

 マフィア同士の権力抗争が始まる。




『クロード、お願い……嫌ぁ』





 黒い花を咲かすように沸き上がる蔵人の血。 暖かくて、俺は妙に冷静な気分だった。



『瑠威……』


『なんだよ、喋るなって言っただろ』


 蔵人の漆黒の瞳が虚ろにさ迷う……



『あんな娘、お前には似合わないと思ってた。

 それなのに茉莉果は、一人で閉じ込められても泣き言も言わずに……瑠威を待ってる……


 茉莉果に謝ってくれ……今初めてお前たちに幸せになってもらいたいと思った。

 俺からのスフェリアテッレ、彼女は喜んでくれただろうか……』


『喜ぶに決まってるだろ! 謝るなら直接謝れ! 土下座でもなんでもしろよ……』



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