BLack†NOBLE

『レイジ』

『はい、瑠威様』


『この屋敷の男たちには、蔵人が撃たれて重体だということは報せたということか?』


 レイジは腕を組むと、深く頷いた。その表情はとても複雑だ。


『ええ、そうです……』


『それで下が騒がしいのか?』



 レイジは黙った。





『俺が一人でここに戻ってきたことを不審に思っている奴もいるんだろう? 俺が組織欲しさに蔵人を陥れたんじゃないかと、そう考える馬鹿もいるはずだ』



『私は瑠威様がそのような方ではないと信じておりますが……ただ……』


『はっきり言えよ』


 レイジは大きく頷いた。喉元がゴクリと揺れた。


『アナタは掟に誓っていない。いわばよそ者だ。

 アナタとクロード様がご兄弟だということは一目瞭然ですが、血縁とファミリーの構成員とは絆の深さが違う』



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