BLack†NOBLE


『瑠威様、目が覚めましたか?』


 階段を上がる足音と共に、レイジが姿を見せた。 俺が殴った左頬が、青くなっていた。


『レイジ……蔵人の様態は何か報告があったのか?』


 ジェロから手を離すと、奴はぐしゃりと床に座り込む。大袈裟な奴だな。



『一命は取りとめました』


『そうか……よかった』


『ですが病院の警備が難しく、不特定多数のものが出入りしているためにクロード様をこの屋敷に移すよう手配しています』


 レイジが、歩き出したので俺も後に続く。


『今夜遅くに人目につかぬよう行動を起こす予定でいます。今ファミリーはその準備に追われていまして騒がしいのですが、ご容赦願いたい』


『かまわない。最善を尽くしてやってくれ』


『クロード様の部屋のバスルームをお使いください。着替えと、タオルはニナに用意させましょう』


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