BLack†NOBLE

『レイジ、医者と看護士に部屋を与えてやれ』

『かしこまりました。どうぞ』


 医者は頷き、点滴の位置などを確認していた女の看護士二人に『おい』と声をかけるとレイジの後に続いた。


 部屋の隅には、アリシアが踞っていた。視界に入らないくらいに小さく踞っていたから見落としていた。


 蔵人よりも青白い顔をしてる。


『アリシア、大丈夫か?』


 話かけると、ブロンドの髪がピクリと動く。


『瑠威……クロード死んじゃう?』


『死なない。そんな柔な男じゃない。

 アリシアも少し休め。お前が一番死にそうな顔している』



『瑠威っ!』


 アリシアは、バッタの様に飛び上がると、両腕をガバッと広げて俺の首に絡み付いた。


 何時間泣いていたんだろう? 頬はむくんで酷い顔してる。




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