BLack†NOBLE


『そうか……』


『瑠威と話たら、元気になってきた。シャワー浴びてご飯食べてくる』


『ああ、そうするといい』




 アリシアが部屋から出ていってしまうと、俺と蔵人が取り残される。何も語らない蔵人にため息をついてから、木の椅子をベッドサイドに置いてそこに座る。



 こんなに蒼白い顔で、本当に回復が見込めるのだろうか……あと何日で目が覚めるんだろう?




『起きろよ蔵人……』



 当然だけど反応はない。



『防弾チョッキの予備を用意しとけばよかったな?』


 バカにして、鼻で笑ってみても……ただ蔵人は眠り続ける。




 あの綺麗な発音で人を馬鹿にしたように話す蔵人の声を、聞けずに寂しい思いをする日がくるなんてな。



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