BLack†NOBLE


『アリシアの両親は何してる人たちだ? 実家は何処にある?』


『どうしたの? 瑠威』


『質問に答えろよ』


『うちは、両親ともフランス人。だけど女優になりたくて家出してきたから、実家はない』


 動かない蔵人の手に、自分の指を絡めてアリシアは『ふふ』と笑った。



『有名になれば許してくれるかと思ってたけど、主演女優になっても、映画祭で賞にノミネートされても連絡はない。

 許してくれないの。パパは会計士だから、頭が堅いのよ』


『マフィアと付き合えば、二度と許してもらえないぞ? 仕事もこなくなるんじゃないのか?』


『瑠威、この国で女優やるならマフィアの一人や二人味方につけておかないとやっていけない。

 でも、そんなの関係無しに私はクロードを愛してる』


< 267 / 509 >

この作品をシェア

pagetop