BLack†NOBLE
最初から蔵人が俺にも色々教えてくれていたら、お互いに辛い思いしなくてもよかったのにな。
そんなに俺は頼りないか?
その為の、兄弟だろ……血塗られた道を歩むために俺たちは育てられてきたんだ。
『……失礼します。瑠威様、儀式の準備が整いました。幹部が集まりました。幹部会への出席は掟に従う者しか許されません。
皆があなたを待っています』
レイジが、声を潜めた。
『わかった。始めよう。時間がかかるのか?』
『いえ、一瞬です。本来ならば数日から数ヶ月かけて素行調査を行い、前触れなしに呼び出し、誓いをたてます。
でも、瑠威様は特例です』
レイジの後に続いて、二人の男が息を殺して部屋に入ってくる。
三人は足音もたてずに、沈黙を守り蔵人のベッドサイドに歩み寄る。
全身が黒い衣装で、死神のようで不気味だ。
『儀式には執行人の他、二人の立会人が必要です。よろしいですか?』
『くどい、何度もきくな!』
『申し訳ございません』