BLack†NOBLE

『掟の書です。一度全てに目を通し、忘れないよう記憶してください』


 血塗れの右手に、一枚の薄い紙が渡される。



 真っ白な半紙には黒いインクで、文字と薔薇の紋様が書き込まれていた。



 傷ついた俺の血が、半紙を赤く染め上げていく。



 白い薔薇が、赤へと変わっていく。これが血の掟の真実か……

 全身の血が、奮い立つような興奮に包まれる。


 
 心臓の音が煩わしい。



 手のひらからは、止めどなく血液が流れ掟の書を真っ赤に染め上げた。






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