BLack†NOBLE
シルバーの短剣がシュッと空を切り、俺の右手に振りかざされた。
冷たい銀は一瞬で、俺の手のひらを切り裂く。肌を焼かれた感覚がして、ジンジンと痛み一筋の深い切り傷ができた。
それを客観的に眺めていると、皮と肉を押し破りゆっくりと赤い血が溢れ出す。
手のひらを伝って、蔵人の上にポタポタと落ちた。
真っ白な寝具が、俺の血で汚されていくのに蔵人はただ眠り続けている。不思議な光景だ。
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