BLack†NOBLE


 焼け爛れて朽ちた誓いの書。


 掟を破る者は、これと同じ様に血にまみれて焼かれるという……



『偉大なる方の弟君よ』


 レイジたちが俺の足元に両膝をつき、切り裂かれた右手に口付けをする。



『あなたは誠意を見せてくれた。ボスが、回復するまで我々はアナタに服従いたします』



 もうどうにでもなれ……そんな感情に近い。


『俺は蔵人みたいなことは、出来ないぞ?』


『ですが、先程“復讐”と仰られていた。我々も同じ気持ちです。あなたに従います。

 イタリア全土から、幹部たちが集まっています。是非瑠威様にお目通りいただきたいと申しております』



『わかった、すぐに会おう。席を設けてくれ』


『かしこまりました』


 痺れた右手は、血の気を失っている。 今夜は銃の引き金は引けなさそうだ。




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