BLack†NOBLE

『会えば、お前も殺させるぞ。二人をヤって無事に戻れる保証はない。無計画にも程がある』


『だから、俺が行くんだろ。お前たちの中で俺が死んで困る奴いるか? いないだろ。

 蔵人は数日で回復する。後のことは蔵人が考えるだろ』


 殺されたいわけじゃないが、この役目は蔵人より俺が適任だ。

 奴等はライフルで蔵人だけを狙った。恨みは一方的に蔵人に集中している。

 そして、蔵人を失えば組織が危ういことをよく理解している。


 相手は両親を殺した奴等だ。俺は、絶対に折れてやる気はない。


 シチリア幹部は、ジッと俺の目を見てきた。 グレーがかった黒い瞳は強いが蔵人の睨みに比べたら威力は半分。



『後で二人の詳細な情報を教えてくれ。

 それからドラッグが出回った方が都合のいい奴は、いるか?』



『いるわけないだろう? ボスがもっとも嫌煙している物だ。メルフィスは、ヤクに屈しない。手を出せば制裁が降る』


 メガネはフレームを直しながら即座に低い声を出す。

 長髪も深く頷き、カルロは俺を馬鹿にしたように鼻で笑った。



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