BLack†NOBLE


「キャッ? なに?」

 拘束されたお嬢様を、無理矢理車に乗せようとした男へ腹が立ち、その腕を力の限り掴む。



『彼女にさわるな……』

 
 すぐにわき腹に、バチっという強烈な音と激痛が同時に走る。


『瑠威やめておけ』


 痛みで、怒りに拍車がかかると男を殴り付けていた。そのまま勢いで蔵人に飛びかかる。



 数人の男に取り押さえられる……


 最後に聞いた彼女の悲鳴だけが、耳の奥に残り。



 いつまでも俺を苦しめた。




< 32 / 509 >

この作品をシェア

pagetop