BLack†NOBLE
屋上には、スーツ姿の男たちが出迎えに整列していた。
シチリアやフィレンツェとは、また一味違う。ビジネスマンのような身なりに、とてもマフィアと関わりがあるような奴には見えない。
『セシルの部下です。ミラノはここ拠点に世界中の物流に携わる。クロード様もここはメルフィスの社交性を高める場としても、非常に重宝されています』
『ヤバいもの運ばせてるわけじゃないよな?』
『いいえ、一般的な企業に倣っていますよ。表向きは』
ヘリのステップに足をかけてコンクリの屋上に降りた。
『ようこそミラノへ。地下駐車場に車を用意しております。セシル様のカジノへ案内するように言われています』