BLack†NOBLE
女は完成された美貌と微笑みで『あなたの隣に座ってもいい?』と首を傾げる。
『かまわないけど、俺はしつこい男だぞ?』
女はクスクスと笑いながら俺の隣に座ると、青いチップを数枚ベットした。
ベット終了のベルがなる。
『可愛い顔している男なのにしつこいなんて最高よ。私は嫌いじゃないわ』
『飲み物は? よかったら奢る』
『そうね……マティーニにしようかしら』
女はクスクス笑いを止めずに髪を触りながら上目使いで俺を見る。普通の男なら、十人中十人は自分に気があると勘違いしてしまいそうな仕草だ。
ディーラーがボーイを呼んだのでマティーニとジンを頼んだ。
『案外ガードが緩いのね? いつもこうやって遊んでばかりいるんでしょう。女ならどんなタイプでも落とせそうね』
『思い通りにならないこともある。そっちこそ、落とせない男なんているのか?』