BLack†NOBLE

 銃のキャッチを調整すると『わかった! 行くから! 伝えるわ!』と女が叫び声をあげた。


『カジノで三千以上儲けただろ? それで貸し借りなしだ』と惚けてレイジに言い、安全装置をつけたままの銃をジャケットの内側にしまった。



『瑠威様……あなたと行動していると、寿命が縮まりそうです』


『なら、レイジが早死にしないように早く解決しないとな? お前が死んだら、蔵人が悲しむだろうから』



 裏路地を出ると、マセラティが停車していた。カルロは闇を抱えたままの顔で、扉を開く。
 
 コイツは本当に愛想ってものが欠如している。


 車に乗り込むと、女の嫌な香水の香りが自分に染み込んでいて、思わず顔をしかめた。


 こんな香りより、俺はフリージアの香りが好きだと思う。



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