BLack†NOBLE
『それは厄介だな……』とぼやくと、会議室に失笑が起きた。
『忘れていた。今日の最後の話だ。瑠威を、日本に帰そうと思っている』
『えっ…………?』
掟に誓い。血に染まった薔薇が燃えていく光景を俺は二度と忘れないだろう。
『待てよ蔵人、どういう意味だ?』
『クロード様! それは危険です。
瑠威様という弟があなたにいることは、今回の騒動で知れ渡りました。もし、万が一またコッグやグレコみたいな奴等がいたならば、真っ先に瑠威様が狙われます! 日本などというメルフィスの未開の地では危険すぎます!』
俺も、レイジの意見に賛同だ。それに蔵人が俺をこの国に固執させようとしていた。
掟に従いこの国に留まる覚悟をさせておいて今更……