BLack†NOBLE

 重厚な扉が閉まり、黒尽くめの男たちがいなくなった会議室は、とても広く感じた。



 夜が更け、静かな時がやってくる。乾わいたイタリアの空気が心地好い。この気候がとても体に馴染んでいる。

 窓から見えるセンスの良い庭園は、頑丈な塀に囲まれていて少し勿体ないと思う。


 三階建ての強固な屋敷には、何人の男たちが働いているのだろう?


 庭園の花と屋敷のいたる所に置かれた観葉植物は、そのむさ苦しさを清浄化させようと飾られているのかもしれない。




「はぁ……」


 蔵人がため息をついて、皮の椅子に深く腰を落ち着けた。


「大丈夫か?」


「まだ傷が痛む……瑠威のせいで傷が開いて、更に十三針も縫ったんだぞ? 嫌な数字だ」


「それくらいで済んだなら良かっただろ。神に感謝しろ」


「痛いものは、痛いだろ」


「マフィアのボスが弱音吐くな」



 蔵人は、ギシッと音をたてて椅子をリクライニングさせた。



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