BLack†NOBLE
大声に男たちが集まり、俺は檻の中で喚く虫けらのようだった……
「茉莉果っ!!!」
『うるさい、黙れ!』
左頬を殴られ、口の中が鉄の味が充満する。
唾を吐き捨てると右側も殴られた。
『彼女に手を出したら、お前たち全員殺してやる!』
『お前に何ができるんだ!』
鳩尾に男の汚い皮靴がめり込む。
学習能力がない。
蔵人はそう言うかもしれない……
だけど、こうする事で彼女への危害が俺に向けばそれでもいいと思った。
『彼女には手を出すな……』
縛られた縄は、何重にも堅い結び目をつくっていた。手をすり合わせても外れそうにない。
こめかみがズキズキと痛んだ。床に倒れて、頭を蹴られて意識が遠のく……
茉莉果……無事でいてくれ……