BLack†NOBLE

 パタパタと家の中を走る兄弟。


「保育園の荷物をお片付けできたら、お買い物行くわよ」


「お買い物?」蔵人が首を傾げると、「おかいもの?」と瑠威も真似して首を傾げる。


「そう、お買い物に行きましょう。夜ご飯はピザにする?」


 優しい母親は、いつも息子たちの目線になって笑顔で会話をした。



「お買い物行かない」


「行かないと、お留守番になっちゃうわよ? 蔵人」


「るーとお留守番するもん」


 会話の内容についていけない三歳の瑠威は、母と兄の顔を交互に見比べて誇らしげに顎を突き出した兄の真似をした。



「しゅるもん」



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