BLack†NOBLE
パタンと閉まったドアを兄弟はただジッと見ていた。
カチャリと鍵がかかり、暫くすると車のエンジン音が遠退いていく。
すると瑠威の可愛らしい瞳に涙が溜まる。
「パパとママ、いっちゃった……」
蔵人の袖をギューっと握り締めて、一生懸命涙を堪えようと下唇を噛み締める。
「ははっ! 泣いたら、るーの泣き虫ってパパに言い付けてやる!」
「ないてないもんっ!」
二人は追いかけ合いながら、リビングをぐるぐると走って子供部屋に入る。
「はやくおかし食べようぜ! そのために、お留守番するんだから」
蔵人は靴のままベッドに飛び乗ると、二十五インチの小さなテレビの電源を入れた。
「ほら、食べるぞ。瑠威」
「うん」
兄弟は、ベッドに寝そべりテレビを見ながら隠しておいたスナックを広げる。